コンテンツにスキップ

モデル

新しいセッションで使うメインモデル、補助タスク用モデル、コンテキスト長、障害時のフォールバックを設定する。

画面表示(主)内部キー(サブ)内容製品既定値推奨
プロバイダーmodel.provider認証済みプロバイダーを選択未設定普段使う契約・API を1つ選ぶ
モデルmodel.default選択プロバイダーのモデル未設定ツール呼び出し対応モデル
適用model.provider + model.default を保存選択内容を新規セッション用に保存-変更後に必ず押す

メインモデルの変更は 「適用」ボタンが必要。新しいセッションに反映される。進行中のチャットは、コンポーザーのモデルピッカーからホットスワップできる。1ターンだけ別モデルで実行して自動的に元へ戻す /model --once もある(コスト面の注意は スラッシュコマンド一覧 を参照)。

未認証の API キー型プロバイダーでは、その場でキー入力が表示される。OAuth 型はブラウザーサインインへ移動する。

プロバイダーとモデルの候補は固定リストではない。次の情報から実行時に生成される。

  • アカウントまたは API キーで接続したプロバイダー
  • 各プロバイダーが現在公開しているモデルカタログ
  • Hermes が持つモデルメタデータとキャッシュ
  • ローカルまたはカスタムエンドポイントの検出結果

このため、モデル名を静的に「全一覧」として固定すると短期間で古くなる。本ノートでは画面の全操作と選択規則を網羅し、実際のモデル候補はその時点のドロップダウンを正とする。

デスクトップのモデルピッカーには、次の表示上の仕組みがある。

  • プロバイダーグループの折りたたみ: デスクトップのモデルピッカーでプロバイダー名の行をクリックすると、そのグループを折りたたみ・展開できる。検索中と、現在使用中のモデルのプロバイダーは常に展開される。
  • 同一ベンダーのエンドポイント統合: 同じベンダーの複数エンドポイント(グローバル API・中国 API・OAuth プランなど)は1つのグループ行にまとまる。Qwen(Qwen Cloud / DashScope・Coding Plan・Qwen CLI OAuth)のほか、Kimi、MiniMax、xAI、OpenAI、OpenCode、GitHub Copilot などが対象。表示のみの変更で、provider:model 形式での個別指定はそのまま使える。
  • 価格タグ: 価格情報を取得できるプロバイダー(OpenRouter・Nous・Novita・DeepInfra・Fireworks)では、モデル名の横に入力/出力の単価(100万トークンあたり USD)が表示される。

メインモデルの直下にある Defaults ブロックで、新しいセッションの既定の推論レベル(reasoning effort)を選ぶ。適用中のメインモデルが推論に対応している場合だけ表示される。選択肢は 8段階ある。

画面表示(主)保存値(内部 agent.reasoning_effort既定内容
Offnoneいいえ推論(思考)を行わない
最小minimalいいえ最小限の推論
lowいいえ低い推論強度
mediumはい標準の推論強度。未設定時の製品既定
highいいえ高い推論強度
特高xhighいいえコーディング・エージェント用途の推奨帯
最大maxいいえGPT-5.6 / Codex 系の最上位ティア向け
ウルトラultraいいえ最上位。対応プロバイダーは限られる

agent.reasoning_effort に保存される。未設定時の製品既定は 中(medium。推論の深さは応答時間やコストに影響するため、用途に応じて調整する。

  • 上位レベルの自動クランプ: max / ultra は GPT-5.6 や Codex の最上位ティアを想定した値で、より小さいスケールしか持たないプロバイダーでは、そのプロバイダーの上限へ自動的にクランプされる(例: Anthropic 系は ultramax に、LM Studio は max / ultraxhigh に、GLM-5.2 は xhigh / max / ultramax に写像)。エラーにはならない。
  • 手書きの無効化指定: config.yamlreasoning_effort: falsedisabled を手書きした場合は「オフ(none)」として扱われ、画面では Off が選択された状態で表示される。

推論レベルは、グローバル既定・モデル別・補助タスク別・MoA スロット別の階層で指定できる。グローバル既定以外は config.yaml の直接編集で設定する(モデル設定画面に対応する入力欄はない)。

設定キー効く範囲備考
agent.reasoning_effortグローバル既定この画面の Defaults ブロックで設定
agent.reasoning_overridesモデル別上書きモデル名からレベルへの辞書。agent.reasoning_effort より優先。モデル名はドット・ハイフンなどの表記ゆれを許容してマッチする
auxiliary.<タスク>.reasoning_effort補助タスク別noneultra。空欄はプロバイダー既定
moa.presets.<名前>.reference_models[].reasoning_effort / ...aggregator.reasoning_effortMoA スロット別「アドバイザーは深く考え、集約モデルは速く動く」のような使い分けができる
agent:
reasoning_effort: medium
reasoning_overrides:
gpt-5.6-sol: ultra
claude-fable-5: xhigh
auxiliary:
compression:
reasoning_effort: low
  • agent.reasoning_overrides はキーにドットを含みうるため CLI コマンドからは設定できず、config.yaml を直接編集する。
  • GLM-5.2 のネイティブ制御: GLM-5.2 は API ネイティブの reasoning_efforthigh / max の2段階)を持ち、Hermes の指定が実際にモデルへ届く(xhigh / max / ultramax へ、それ以外の有効値は high へ写像。無効化時と未指定時は送らない)。
  • CLI・TUI では /reasoning <レベル> でセッション限定の変更ができ、--global を付けると config.yamlagent.reasoning_effort)へ永続化される。詳細は スラッシュコマンド一覧 を参照。
画面表示(主)内部キー(サブ)用途製品既定値推奨
ビジョンauxiliary.vision.provider / auxiliary.vision.model添付画像の分析や、画像をテキスト化する補助処理auto / 空欄メインが画像対応なら「メインに設定」
ウェブ抽出auxiliary.web_extract.provider / auxiliary.web_extract.model取得したページ本文の抽出・要約auto / 空欄安価で長文に強いモデルも有効
圧縮auxiliary.compression.provider / auxiliary.compression.model長い会話をコンテキストへ収めるための要約auto / 空欄高速で指示追従性の高いモデル
スキルハブauxiliary.skills_hub.provider / auxiliary.skills_hub.modelスキルの検索、候補選定、関連性判断auto / 空欄メインで問題ない
承認auxiliary.approval.provider / auxiliary.approval.modelsmart 承認でコマンドの危険度を判定auto / 空欄誤判定を避けるため高精度モデル
MCPauxiliary.mcp.provider / auxiliary.mcp.modelMCP ツールの選択・ルーティング支援auto / 空欄ツール選択に強いモデル
タイトル生成auxiliary.title_generation.provider / auxiliary.title_generation.modelセッション内容から短いタイトルを生成auto / 空欄安価な小型モデルで十分
キュレーターauxiliary.curator.provider / auxiliary.curator.model使用したスキルの有用性レビューや整理auto / 空欄メインまたは高精度モデル

既定では全タスクがメインモデルを自動使用する。個別に「変更」で固定でき、「すべてメインにリセット」で解除できる。各タスクには auxiliary.<タスク>.reasoning_effort で推論レベルも個別指定できる(config.yaml のみ。前述の「推論レベルの細粒度制御」を参照)。

画面表示(主)内部値・処理(サブ)動作
自動 · メインモデルを使用provider: auto, model: ""タスク専用の上書きがなく、現在のメインモデルへ追従
メインに設定対象の providerautomodel を空文字へ変更選択タスクの上書きを解除してメインへ戻す
変更対象の auxiliary.<task>.provider / .modelタスク専用のプロバイダーとモデルを選ぶ
(プロバイダーのデフォルト)model: ""モデルを固定せず、そのプロバイダーの標準モデルへ委ねる
すべてメインにリセット全補助タスクへ provider: auto, model: ""8タスクすべての上書きを一括解除

コンテキストとフォールバック

Section titled “コンテキストとフォールバック”
画面表示(主)内部キー(サブ)製品既定値推奨
コンテキストウィンドウmodel_context_length0 相当(自動)0 のまま
フォールバックモデルfallback_providers必要時だけ追加

0 または空欄なら、選択モデルから検出した値を使う。モデルの実際の上限より大きな値を手入力すると API エラーや早すぎる圧縮の原因になるため、通常は自動が安全。

フォールバックモデルは 行追加式の構造化エディタで編集する。行ごとにプロバイダーとモデルをドロップダウンで選び、行の追加・削除で連鎖を編集する。上から順に、メインモデルが失敗した場合の代替として試される。

  • プロバイダーとモデルの両方を選んだ行だけが保存される。片方だけの「半入力」行は画面に下書きとして残るが、設定には書き込まれない。
  • 候補は接続済みプロバイダーのカタログから表示される(補助モデルのピッカーと同じ仕組み)。
  • 行追加ボタン「Add fallback」など一部ラベルは、日本語ロケール未登録のため英語で表示される。

config.yaml では fallback_providers がプロバイダーとモデルの組のリストになる。

fallback_providers:
- provider: openrouter
model: anthropic/claude-sonnet-5
- provider: gemini
model: gemini-3-pro-preview

旧形式の文字列指定も読み込み時には正規化されるが、新規設定は上記の構造化形式を使う。モデル名は実際にプロバイダーが公開している ID を使う。異なる会社のプロバイダーを組み合わせると障害分散になるが、料金、データ処理方針、ツール互換性は別途確認する。

Mixture of Agents(MoA)は仮想モデルプロバイダー。複数モデルの視点を集約して、難しいタスクの精度を上げる。名前を付けた MoA プリセットを作ると、moa プロバイダー配下の選択可能なモデルとして各モデルピッカーに現れる。

MoA プリセットを選ぶと、プリセットの 集約モデル(aggregator) が実際の応答を書き、ツール呼び出しを出す。参照モデル(reference models) が先に走り、その分析を集約モデルへ渡す。通常のエージェントループ(ツール呼び出し・反復・割り込み・履歴保存・同一セッションの文脈)はそのまま働く。

操作場所動作
プリセットへ切り替えモデルドロップダウンの MoA presets セクション選ぶと MoA: <プリセット名> へメインモデルが切り替わる
プリセットの作成・編集設定 → モデル → Mixture of Agents参照モデルと集約モデルの組み合わせを作成・編集する

作成・編集画面では、上部のドロップダウンでプリセットを選び、Set default(既定化)・Delete(削除)、new preset に名前を入れて Add preset(新規追加)を操作する。各 Reference N でプロバイダーとモデルを選び(Remove で削除、Add reference model で追加)、集約モデル(Aggregator)を指定する。雛形プリセット default(参照: OpenAI Codex gpt-5.5 / OpenRouter deepseek/deepseek-v4-pro、集約: OpenRouter anthropic/claude-opus-4.8)が最初から入っており、既定プリセットに設定されている。

手動の保存ボタンはなく、編集内容は自動保存される。

  • スロット(参照・集約)の変更は、編集が止まってから 600 ミリ秒後に自動保存される。
  • プリセット単位の操作(Set default / Add preset / Delete)はクリック時に即保存される。
  • プロバイダーだけ選んでモデルが未選択の「半入力」スロットがある間は、保存が保留される。バックエンドが不完全なプリセットを HTTP 422 で拒否する仕様のため、UI は入力の完了を待ち、スロットが埋まった時点でプリセット全体をまとめて保存する。保留中もディスク上には直前の完全な設定が残る。

MoA はモデルシステム上の通常プロバイダーなので、/goal・ゲートウェイセッション・TUI・デスクトップチャットと自動的に組み合わさる。

/moa <プロンプト> は、既定の MoA プリセットで1回だけ実行し、終わったら元のモデルへ戻す単発コマンド。引数全体がプロンプトとして扱われ、セッションのモデルは変わらない。セッション全体を MoA プリセットに切り替えたい場合は、モデルピッカーから選ぶ(/moa はモデルを切り替えない設計)。

moa 配下に名前付きプリセットを持つ。プロバイダー/モデルのペアを明示するので、異なる会社のプロバイダーを混在できる。

moa:
default_preset: default
presets:
default:
reference_models:
- provider: openai-codex
model: gpt-5.5
reasoning_effort: high # スロット別の推論レベル(任意)
- provider: openrouter
model: deepseek/deepseek-v4-pro
aggregator:
provider: openrouter
model: anthropic/claude-opus-4.8
reasoning_effort: low # 集約モデルは速く、なども可能
reference_max_tokens: 600 # アドバイザー出力の上限(任意)
fanout: per_iteration # または user_turn
enabled: true

ターミナルからは hermes moa list / hermes moa configure [name] / hermes moa delete <name> で管理する。

製品既定値には雛形プリセット defaultdefault_preset: default)が含まれる。プリセット単位の主な設定キーは次のとおり。

キー既定内容
reference_temperature / aggregator_temperature未設定(送らない)既定では temperature を API に送らず、プロバイダー既定に従う(単一モデル動作と同じ)。数値を書いた場合だけ送信される
max_tokens4096集約モデルの出力上限
reference_max_tokens未設定(無制限)参照モデル(アドバイザー)1回あたりの出力上限。MoA の遅延の大半はアドバイザーの生成時間のため、600 程度に絞ると1ターンの所要時間を大きく短縮できる。集約モデルの出力(ユーザーに見える回答)は制限しない
fanoutper_iteration参照モデルを走らせる頻度。per_iteration はツール反復のたびに再実行し、助言が作業状態に追従する。user_turn はユーザーターンごとに1回だけ実行し、以降のツールループは集約モデル単体で進む(高速・低コスト)
reference_models[].reasoning_effort / aggregator.reasoning_effort未設定スロット別の推論レベル(前述の「推論レベルの細粒度制御」を参照)
enabledtruefalse で参照の分散を止め、集約モデル単体で動く

トレース保存は moa.save_traces(既定 false)と moa.trace_dir で制御する。

  • 集約モデルに別の MoA プリセットは指定できない(再帰は禁止)。仮想プロバイダーは参照・集約スロットに指定できない。
  • 一部の参照モデルが認証失敗しても、そのターンは中断せず、返ってきたモデルだけで続行する。
  • MoA はモデル呼び出し回数を増やす(1反復で複数の参照呼び出し+集約呼び出し)。ただしメイン会話のプロンプトキャッシュは壊さない設計。
  • プリセットに enabled: false を設定すると参照の分散は止まり、集約モデル単体で動く(プリセットごとのオフスイッチ)。
  • hermes tools の一覧には出ない(有効化するツールセットではない)。
  1. まずメインモデルだけを設定する。
  2. 補助モデルは速度・費用の問題が確認できたタスクだけ分離する。
  3. コンテキストウィンドウは自動検出にする。
  4. 業務継続が必要な場合だけ、別プロバイダーのフォールバックを1~2個登録する。
  5. 難しいタスクで精度が要る場面だけ、MoA プリセットを試す。通常のタスクは単一モデルで足りる。
  6. 推論レベルはグローバル既定(中)で運用を始め、特定モデル・特定タスクで過不足が出たときだけ agent.reasoning_overrides や補助タスク別・MoA スロット別の指定で調整する。

© 2026 Hermes Desktop ガイド(非公式)。引用・部分転載は、出典として本ページへのリンクを添えていただければ歓迎します。記事全文の無断複製・転載はご遠慮ください。