モデルとプロバイダーを整える
第2章の「最小限クイックスタート」では、プロバイダーを1つ繋いでモデルを選び、最短でチャットを動かしました。この章はその続きで、自分の契約を活かして設定を整える詳細編です。最小限で動いていれば、この章は必要になった項目だけ拾い読みして構いません。
プロバイダーを接続する ─ 4つの方式
モデル推論に使う接続は、設定のプロバイダーで行います。サイドバーの子項目が接続方式に対応しています。主に使うのは次の2つです。
- アカウント: サブスクリプションやOAuthでブラウザーサインインする。APIキーをコピーせずに接続できる。サブスクリプション利用ならこちらが手軽。
- APIキー: プロバイダーごとにカード化された入力欄に、発行したキーを登録する。従量課金や細かい制御に向く。
このほか、OpenAI互換などのAPIを自分で指定するカスタムエンドポイントと、手元のコンピューターでモデルを動かすローカルモデルがあります。ローカルモデルはmacOS・Windows・Linux(x64・arm64)では起動オプションなしで表示されます(それ以外の環境だけ --local 付きの起動が必要)。料金をかけずに試したい、チャットを外に出したくない、という場合の選択肢になります。
接続候補は固定ではなく、Hermesが対応するプロバイダーのカタログから生成されます。利用中のプロバイダーが見つからないときは、APIキー画面上部の検索ボックスで名前から絞り込めます。
APIキーやトークンは秘密情報です。Vault、スクリーンショット、Git、チャットに実値を残さないでください。保存済みのキーは画面でマスク表示され、平文を再表示する操作はありません。
接続方式ごとの全プロバイダーはプロバイダーに一覧があります。
メインモデルを選ぶ
新しいセッションで使うモデルを決めます。設定のモデルは、サイドバーの子項目「メインモデル」「代替モデル」「補助モデル」「エージェントの協調」に分かれています。ここでは「メインモデル」を使います。
- プロバイダーを選ぶ(認証済みのものから)。
- そのプロバイダーのモデルを選ぶ。ツール呼び出しに対応するモデルを選ぶと、この入門コースの操作がそのまま使えます。一覧にないモデルは「カスタムモデル…」からモデルIDを手入力できます。
- 「適用」ボタンを押す。これを押さないと新しいセッションに反映されません。
進行中のチャットは、コンポーザーのモデルピッカーからその場で切り替え(ホットスワップ)できます。
推論レベルを選ぶ
メインモデルが推論に対応している場合、直下の「Defaults」ブロックで新しいセッションの既定の推論レベルを選べます。ドロップダウンは次の8段階です。
| 表示 | 内容 |
|---|---|
| Off | 推論(思考)を行わない |
| 最小 / 低 | 軽い推論 |
| 中 | 標準。未設定時の製品既定 |
| 高 / 特高 | 深い推論 |
| 最大 / ウルトラ | 最上位ティア。対応する上位モデル向け |
未設定なら中で動きます。推論を深くするほど応答時間とコストが増えるので、用途に応じて調整してください。まずは中のままで問題ありません。
「最大」「ウルトラ」はドロップダウンに常に並びますが、実際に効くのはこれらのティアに対応した上位モデルのときだけです。推論の段階がこれより狭いプロバイダーでは、そのプロバイダーの上限まで自動的に引き下げて扱われます。
同じ「Defaults」ブロックには、対応モデルのときだけ速度の切り替えも表示されます。高速モードだけに対応するモデルでは**高速(Fast)**のトグル、さらに上位の速度にも対応するモデルでは「Speed」のセレクト(Standard / Fast / Ultrafast。日本語リソース未整備のため英語表示)になります。応答速度を優先したいときに切り替えます。
補助モデルは後から分ける
ビジョン・圧縮・タイトル生成などの補助タスク(モデル > 補助モデル に12件並ぶ)は、既定ではすべてメインモデルを使います。最初はこのままで構いません。
特定のタスクで速度や費用が気になったときだけ、そのタスクを別モデルに分離します。補助タスクごとの推論強度も選べ、既定は「継承 · メインモデルの推論強度」です。たとえばタイトル生成は安価な小型モデルで十分です。分離したものは「すべてメインにリセット」で一括解除できます。
コンテキストとフォールバック
- コンテキストウィンドウ: 数値で入力する項目で、
0のまま(自動)が安全です。0にすると、選択したモデルから検出したコンテキストウィンドウを使います。手動で実際の上限より大きな値を入れると、APIエラーや早すぎる圧縮の原因になります。 - 代替モデル(フォールバック): メインが失敗したときの代替で、モデル > 代替モデル で登録します。業務継続が必要なときだけ登録します。プロバイダーとモデルを1行ずつ選ぶ入力欄で、「Add fallback」ボタンで行を追加します。行は番号順(上が1番)に、上から順に試されます。カンマ区切りのテキスト欄ではありません。
たとえば1行目に別会社のプロバイダーとそのモデル、2行目にさらに別の会社を並べておくと、メインが落ちても順に代替へ切り替わります。異なる会社のプロバイダーを組み合わせると障害分散になりますが、料金・データ処理方針・ツール互換性は別途確認してください。
用途別の出発点
迷ったときの設定の出発点です。詳しくは推奨設定プリセットを参照してください。
- 標準ローカル開発: メインモデルだけ設定し、補助モデルはすべてメイン、コンテキストは自動、承認は
manual。 - 低コスト: タイトル生成・圧縮などを小型モデルに分離し、フォールバックを増やさず、推論強度は低めから試す。端末の性能が足りるならローカルモデルも候補になる。
つまずいたら
- 選んだモデルが反映されない: メインモデル変更後に「適用」を押したか確認する。進行中チャットはモデルピッカーで切り替える。
- モデル候補が出てこない: そのプロバイダーが接続済みか、APIキーが保存済みかを確認する(プロバイダー)。
- 「適用」したのに古いモデルのまま: 反映されるのは新しいセッション。既存セッションはホットスワップで切り替える。
- 補助モデルの警告が出る: 固定した補助モデルがメインプロバイダーと不一致。意図した固定か確認し、不要なら「すべてメインにリセット」。
次の一歩
モデルが整ったら、安全に使うための設定を理解します。安全に使う設定に進み、承認モードの段階的な考え方を身につけましょう。
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