自分のスキルを作る
入門コースのスキルとプロファイルを使うでは、既定で用意された多くのスキルを有効・無効にして使い分ける段階を扱いました。このレシピはその先 ─ 自分が繰り返している定型作業を、自分用のスキルとして用意するところまで進めます。
スキルが何かはスキルとツールの違いで押さえたとおりです。スキルは「道具の使い方をまとめた段取り書」(SKILL.md)で、低レベルの操作そのものであるツールとは層が違います。自分でスキルを作るとは、自分の段取りを言語化して固定することだと考えてください。
このレシピは、Hermes が標準で備えるスキル作成支援を使う方法を中心にまとめています。SKILL.md の形式は今後のバージョンで細部が変わりうるため、最終的な形式は支援スキルの出力と公式ドキュメントで確認してください。
まず判断 ─ スキル化が向く作業か
何でもスキルにすればよいわけではありません。拡張の三つの道(ツールセット/スキル/MCP)のどれを使うかは、やりたいことの性質で決まります。スキル化が効くのは次のような作業です。
- 手順・段取りが決まっている: 「この目的のために、どの道具をどの順で使うか」が繰り返し同じ。
- 何度もやる: 一度きりではなく、今後も使い回す。
- 言葉で説明できる: 自分が口頭で手順を説明できるなら、スキルに落とせる。
逆に、次のものはスキル向きではありません。
- 単発の作業: その場でチャットに指示すれば足りる。
- 低レベルの操作そのもの: ファイルを読む・書く・検索するなどは、対応するツールセットを有効にするのが筋(スキルとツール)。
- 外部サーバーの機能を取り込みたい: それはMCPの役割(MCPサーバー追加の実践)。
迷ったら、まず既定のスキルに似たものがないかを「スキルとツール」の検索で探します。「スキルとツール」はスキル・ツールセット・MCP・スキルハブ(Browse Hub)の4タブ構成で、スキルタブでは導入済みのスキルを、Browse Hub タブでは公式・コミュニティのスキルを横断検索できます(スキルとツール)。近いスキルがあれば、それを使うか参考にするほうが早いことが多いです。
スキルの正体をもう一度
スキルは SKILL.md という形式で書かれた、作業手順・ノウハウの記述です。GitHubのPR運用(github-pr-workflow)、図版生成、計画立てやデバッグの進め方など、既定のスキルもこの形式で書かれています。自分用のスキルも同じ形式で用意し、有効にすれば、エージェントが必要に応じて参照・実行します。
つまり自分でスキルを作る作業は、おおまかに次の3段階です。
- 段取りを
SKILL.mdとして書く(frontmatter には最低限nameとdescriptionを書く)。 - Hermes がそのスキルを認識する場所に置く。既定の配置先は
~/.hermes/skills/<カテゴリ>/<スキル名>/SKILL.mdで、既定スキルがカテゴリごとに分かれて並ぶのも、このカテゴリ別ディレクトリ構造によるものです。 - 「スキルとツール」でトグルをONにする。
このうち1と2は、形式を間違えやすいので、手で書くよりも次の支援スキルに任せるのが確実です。
作る手順 ─ スキル作成支援を使う
Hermes には、スキルを作るためのスキルが既定で含まれています。hermes-agent-skill-authoring(Software-Developmentカテゴリ)です。これを有効にしてからエージェントに依頼すると、正しい形式の SKILL.md を組み立て、認識される場所に配置するところまで案内させられます。
- 支援スキルを有効化する: 「スキルとツール」のスキルタブで
hermes-agent-skill-authoringを検索し、トグルをONにする。スキルの管理に使うSkillsツールセット(skills_listskill_viewskill_manage)も有効だと、作成後の確認がスムーズです。 - 作りたい段取りを言葉で渡す: チャットで「次の手順をスキルにしたい」と伝え、目的・前提・手順・期待結果を箇条書きで具体的に書く。手順が曖昧なほど、できあがるスキルも曖昧になります。
- 生成された内容を確認する: 支援スキルが提案した
SKILL.mdの中身(何をする手順か、どのツールを前提にするか)を読み、意図とずれていないか確かめる。 - 有効化する: 作成されたスキルを「スキルとツール」のスキルタブで探し、トグルをONにする。使う予定がないあいだはOFFにしておくのが安全です(使うものだけ有効にするの原則)。
用途ごとに分けたいなら ─ プロファイルと組み合わせる
特定の作業専用のスキルを作ったら、その作業用のプロファイルにだけ有効化しておくと、普段使いの構成を汚しません。プロファイルはモデル・スキル構成・.env・ペルソナ(SOUL.md)をまとめた単位です(プロファイル管理)。たとえば「リサーチ用」プロファイルにだけ調査系の自作スキルを入れておけば、⌘ 1 などのショートカットで一気に切り替えられます。
別のマシンでも同じ構成を使いたいときは、プロファイル管理の「セットアップをコピー」で構成を書き出し、共有先で再現できます。
安全上の注意
スキルを足すことは、エージェントの「できること」を増やすことです。便利な反面、慎重さも必要になります。
- 自作スキルの手順に、外部への送信や破壊的な操作を含めるときは、承認モード(安全性)と組み合わせて、人の確認が入るようにします。
godmodeのような安全機構を回避する目的のスキルは、既定では導入されないオプションスキルです(スキルハブから明示的に導入したときだけ一覧に加わります)。導入済みの環境では一覧に残るので、自作スキルを探すときに紛れ込ませないよう、用途が不明なものはOFFのままにします(スキルとツール)。- スキルの中に資格情報や秘密鍵を直書きしません。鍵はプロファイルの
.envで管理します。
前提・操作・期待結果・つまずいたら
- 前提: 入門コースを修了し、スキルとツールセットの違いを理解している。「スキルとツール」を開ける。
- 操作: スキル化が向く作業かを判断し、
hermes-agent-skill-authoringを有効にしてエージェントに段取りを渡し、生成されたSKILL.mdを確認して有効化する。必要なら専用プロファイルに入れる。 - 期待結果: 自作スキルが「スキルとツール」の一覧に現れ、ONにするとエージェントがその段取りを参照・実行できる。
- つまずいたら:
- 作ったスキルが一覧に出ない: 認識される場所に配置されているか、支援スキルの出力どおりか確認する。
skills_list(Skillsツールセット)でエージェントに一覧を出させると早い。 - 有効にしたのに使われない: トグルがONか、「キーが必要」表示が残っていないかを確認する(ツールとキー)。
- 意図しない動作をする: 手順の記述が曖昧でないか見直す。前提とするツールが有効か、別のスキルと候補が混在していないかも確認する。
- 形式が正しいか不安: 既定スキルの構造を
skill_viewで参照し、公式ドキュメントと照合する。
- 作ったスキルが一覧に出ない: 認識される場所に配置されているか、支援スキルの出力どおりか確認する。
関連
- 概念解説: スキルとツールの違い
- 入門コース: スキルとプロファイルを使う
- リファレンス: スキルとツール / プロファイル管理 / ツールとキー
- 実践レシピ: MCPサーバー追加の実践
© 2026 Hermes Desktop ガイド(非公式)。引用・部分転載は、出典として本ページへのリンクを添えていただければ歓迎します。記事全文の無断複製・転載はご遠慮ください。